学術論文を書く観点で、NeedではなくRequireを使うよう指導される機会があったので、NeedとRequireの違いについて調査しました。
使用場面
以下のような場面で使われます。
- need: 主観的な必要性を表現する際に使われます。著者の意見や主張を述べる文脈でよく用いられます。
- require: 客観的な必要性を表現する際に使われます。事実や一般的に認められた知識に基づいた記述でよく用いられます。また、研究方法や実験手順などを説明する際にも、必須条件を示すために使われます。
確かに、必要条件をRequirementsと言うように、客観的な必要性を示すときはRequireが良いようです。一方、日本語にニーズという言葉がある通り、主観的な必要性を表現する場合にはNeedが好まれます。
意味の強さ
意味の強さだと、Requireの方が強い必要性を示すようです。
- need: 必要性を示しますが、比較的弱いニュアンスです。「~が必要である」「~が求められる」といった意味合いで、何かが欠けている、望ましい、または有益であることを示します。
- require: より強い必要性を示し、義務や要件に近いニュアンスがあります。「~を必要とする」「~が必須である」といった意味合いで、何かが不可欠であり、それがなければ目的が達成できない、または問題が発生することを示します。
学術論文での使い分け
学術論文においては、主張などの主観的な要素を主張する場合にはneedが使われますが、客観的な必要条件などを示すのにneedを使うのは違和感が出そうです。
- need: 研究の背景や目的を説明する際に、研究の必要性を示すために使われます。また、考察や結論において、今後の研究課題や提案を示す際にも使われます。
- require: 研究方法や実験手順を説明する際に、必要な材料や条件を示すために使われます。また、先行研究を引用する際にも、その研究が現在の研究に不可欠であることを示すために使われます。
例文
以下に例文を示します。
- need: “Further research is needed to investigate the underlying mechanisms.” (さらなる研究が必要である)
- require: “This experiment requires a high-performance computing system.” (この実験には高性能計算システムが必要である)
まとめ
学術論文執筆において、「need」と「require」は、必要性の強さと客観性/主観性によって使い分けられます。適切に使い分けることで、論文の論旨を明確に伝えることができます。論文の質を高めるために単語の使い分けを意識してみてください。