動画編集において、フレームレートの調整は欠かせない作業です。今回は、強力な動画処理ツール FFMPEGを使って、動画のフレームレートを変更する方法を詳しく解説します。初心者の方でも理解しやすいよう、具体的なコマンド例と丁寧な解説を提供します。
用途としては、60fpsの動画を30fpsに落としてデータサイズを削減するなどが可能です。早速、FFMPEGを用いて動画のフレームレートを変更する方法について紹介したいと思います。
目次
FFMPEGとは?
FFMPEGは、動画・音声ファイルの変換、編集、ストリーミングなど、多岐にわたる処理をコマンドラインから実行できるオープンソースのソフトウェアです。その多機能性と柔軟性から、プロの動画編集者から趣味の動画制作者まで、幅広く利用されています。
FFMPEGの実行ファイルの入手方法については、以下の記事にまとめておりますので、FFMPEGを初めて使う方や、実行ファイルを入手したい方はご覧ください。
FFMPEGで動画のフレームレートを変更する方法
入力動画のフレームレートを確認する方法
フレームレートを変更する前に、そもそも入力動画のフレームレートがわからない場合もありますよね。これもFFMPEGを用いて確認することができます。以下のように、「-i input.mp4」と入力ファイルのみを指定することで、入力ファイルのステータスを確認することができます。
ffmpeg -i input.mp4
実行するとコンソールに「Stream #0:0(und): Video: h264 (High) (avc1 / 0x31637661), yuv420p, 1920×1080 [SAR 1:1 DAR 16:9], 25 fps, 25 tbr, 12800 tbn (default)」のような情報が表示されます。この中の25fpsが入力動画のフレームレートです。
今回の入力動画の場合、コンソールの表示を読み取ることで「25fps」であることがわかりました。
入力動画のフレームレートを変更する方法
それでは、フレームレートを変更する方法です。以下のコマンドでフレームレートの変更が可能です。最初の行はfpsを10に、2行目はfpsを60に変更して、それぞれ動画を出力します。
ffmpeg -i input.mp4 -r 10 output_fps10.mp4
ffmpeg -i input.mp4 -r 60 output_fps60.mp4
ポイントについて説明します。
- 「input.mp4」が入力の動画を示します。
- 「-r ○」が出力動画のフレームレートを表します。「-r 10」は出力動画のフレームレートを10fpsに設定します。「-r 60」は出力動画のフレームレートを60fpsに設定します。
- output_fps10.mp4、output_fps60.mp4 は出力ファイル名です。任意の名前に変更できます。
フレームレート変更の活用例
- データサイズの削減: 高フレームレートの動画を低フレームレートに変換することで、ファイルサイズを大幅に削減できます。Webサイトへのアップロードや、ストレージ容量の節約に役立ちます。
- スローモーション効果: 低フレームレートの動画を高フレームレートに変換することで、スローモーションのような滑らかな映像を作成できます。
- 古い映像の再生: 古い映像はフレームレートが低い場合があります。高フレームレートに変換することで、現代のディスプレイでより自然な表示を実現できます。
- ゲーム動画の最適化: ゲームの録画は高フレームレートになりがちです。適切なフレームレートに変換することで、視聴環境に合わせて最適化できます。
フレームレート変更の注意点
- フレームレートを下げると、動画の滑らかさが失われる場合があります。
- フレームレートを上げると、ファイルサイズが大きくなり、処理時間も長くなる可能性があります。
- 変換後のフレームレートは、元の動画のフレームレートとの関係や、変換方法によって影響を受ける場合があります。
まとめ
FFMPEGを使えば、動画のフレームレートを簡単に変更できます。データサイズの削減、スローモーション効果、古い映像の再生、ゲーム動画の最適化など、様々な場面で活用できます。
この記事が、あなたの動画編集作業の一助となれば幸いです。