「およそ、約」を表す英語表現の違い “about” VS “around” VS “approximately”

今回は、「およそ、約~」という表現を表す語の違いを紹介します。対象は、実験結果などの数値に対して使うような場面を想定しています。

私は、この表現をよく使います。「約~パーセント」とか、「大体~程度の処理時間が掛かる」など。しかし、あまり違いを意識して使っていませんでしたので、今回調査してみました。

About VS Around VS Approximately

数値に対して約、およそ~という意味で使う場合、「About」「Around」「Approximately」はかなり近い意味を表すため、どれを使っても確実に誤用ということはないようです。しかし、若干のニュアンスの違いがあるようなので、見ていきましょう。

About VS Around

AboutとAroundのニュアンスの違い

AboutとAroundを比較した場合、若干Aroundの方が、Aboutよりも広く「おおよそ~、約~」という意味を表します。

例えば、約50%といった場合に、”around 50 %”なら40%~60%くらい、”about 50 %”なら45%~55%くらいという感じでしょうか。

ただ、幅の広さというのもかなり主観的な要素な気がしますので、私的には神経質にAboutとAroundを使い分ける必要はないんじゃないかと思います。

イギリス英語(About)とアメリカ英語(Around)

大きな違いとして、Aboutはイギリス英語で使われることが多く、Aroundはアメリカ英語で使われるということが多いそうです。

About・Around VS Approximately

一方、Approximatelyも、「およそ~、約~」という表現になりますが、aroundとaboutの違いに比べると、少しニュアンスの面で違いがありそうです。

まず、ApproximatelyはAboutやAroundよりも、 正確な値に近づけることに重きを置いており、幅で言うならかなり狭いということになります。

”approximately 50 %” なら、例えば49.5~50.5%という感じでしょうか。

また、「 数字が正確ではないことを強調する」という意味合いがあるようで、キリの悪い数にAbout / Aroundが使われていると少々違和感があるという意見もありました。

要するに、”about 72.3%”と表現すると、72.3%というかなり正確な値を示しているのに、大雑把な値を示すaboutが使われていることに違和感があるということです。

ただ、実験上は正確な値は72.314535%なんだけど、「大体」72.3%と表記するようなケースもあると思います。この場合には「approximately」の方が良さそうです。

また、Approximatelyは日常会話では少し堅苦しくフォーマルな表現なので、論文などでは適している表現と言えるでしょう。

四捨五入で小数点を丸めた場合などの、実測値とかなり近い値に対して「およそ、約~」と表現する場合には、Approximatelyが良さそうです。

その他の表現

nearly & closely : こちらも「およそ、だいたい~」みたいな意味になりますが、「もう少しで~」という意味を含むため、もう少しだけれど到達していないという意味を表します。

49%はnearly 50%ですが、51%はnearly 50%ではありません。AboutやAround, Approximatelyとは明確に違う部分ですので、この点は注意した方が良さそうです。

まとめ

Approximately > About > Aroundの順で正確。

  • around:アメリカ英語で、大体、およそ~を表す。割と大雑把な「およそ、約~」を表す。
  • about:イギリス英語で、大体、およそ~を表す。割と大雑把な「およそ、約~」を表す。aroundよりはやや狭い「約」の表現。
  • approximately:「およそ、約~」の中でも、aroundやaboutよりもかなり精度が高く、「精度が高いものの、完璧に正確な値ではない」ようなニュアンスで使われる。表現としてはaround / aboutよりフォーマル。

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